【紀伊民報】防災訓練、水陸両用車も出動 白浜町中区、栄区と小学校

和歌山県白浜町で実施された防災訓練のニュースです。


防災訓練、水陸両用車も出動 白浜町中区、栄区と小学校 – AGARA紀伊民報

 和歌山県白浜町の中区自主防災会と栄区防災会が24日、東南海・南海地震と津波を想定した防災訓練を実施。両区の児童が通う南白浜小学校も参加した。県防災航空隊による救急救助訓練、陸上自衛隊による水陸両用車の上陸訓練も同時に実施された。

 中区と栄区では2005年にそれぞれ自主防災組織を発足。毎年、区内で防災訓練をしている。今回は平日の避難者数の把握や、児童と保護者が別々の避難所に逃げた場合の安否確認の訓練を主な目的に掲げ、初めて合同で実施した。町、町消防本部も協力した。

 午前9時。紀伊半島沖で強い地震が発生したとの放送が防災行政無線であり、訓練が始まった。児童と中区の住民は通称・西山(標高約40メートル)と呼ばれる近くの高台に、栄区の住民は区内8カ所の一時避難所に移動した。中区で約140人、栄区では約290人が参加した。

 海岸沿いにある中区では各自が高台まで一気に逃げ、バイクや車を使ってもいいようにした。車で逃げた人はほとんどなく、大半が徒歩だった。小学校では児童82人が防災頭巾をかぶって避難した。

 同校では高台に通じる坂道の途中(標高約30メートル)でいったん点呼をとり、全員の避難を確認した。

 高台では防災組織のメンバーが栄区内の避難所と携帯無線で交信し、保護者に児童らの安否を連絡した。県防災ヘリコプターで負傷者をつり上げる救出訓練、陸上自衛隊による炊き出し訓練もあった。

 水陸両用車による上陸訓練は近くの海岸であり、美浜町の和歌山駐屯地第304水際障害中隊から2台が出動。1台が海に入り、再び上陸する訓練を披露した。

 南白浜小学校の長野文昭校長は「点呼する場所まで逃げる訓練は2回目。前回は15分かかったが今回は6分30秒だった」と話し、訓練を重ねることの大切さを強調した。

 栄区防災会の青木一郎代表は「授業中の場合、保護者と児童の避難場所が異なるので、子どもの安否確認の訓練ができてよかった」、中区自主防災会の坂上喜夫代表は「一時避難場所にこだわらず、いち早くこの高台に逃げることが大切だという認識が深まった」と話した。